相互依存問題への間違ったアプローチ
学習する組織を読んでいる。
ちょっと前に記号と再帰という本も読んだ。
両者に共通するのは、再帰、フィードバックという概念。相互依存、循環、ループ。
現在容易に解決できない種類の問題は、かならずこのような性質を含んでいると思う。
私は昔から、問題にアプローチするときにトレードオフや構造的循環を調べるクセがある。
それらの特徴を備える問題は絶対に解決できないため、異なるアプローチを強制するからだ。
いまとなっては、どちらも相互依存の一形態であり、裏付けのある方針だったと理解できる。
相互依存のある問題へのアプローチが難しい理由は、それが「分割して統治」できないからだと思う。
今の科学、特に工学は還元主義が強いと思う。マクロな問題はミクロに分けて解けばいい、というもの。
分割して統治という思想は教育で徹底的に刷り込まれる。だから、普通はこの無意識的方針に抗えない。
しかし、相互依存の問題は、部分を取り出した段階で全体性が失われる。
部分を解決すると、短期的・局所的に効果が上がる(これは大きなポイント)が、全体としては何一つ解決しない。
良くある誤った「解決」は、「片方が解けたとして、もう一方が綺麗に解けた」だ。
たとえば、「製品のシェアが50%に達すれば、このSNS機能で優位化できる」とか。
相互依存問題は、要素それぞれは別に問題ではない。解いても別にすごくない。